風の便り from あらし山

雲の変化を愛でて、自然の移ろいを語り、人生の機微を楽しむ。ある時はミカン山から、ある時は雑踏の中から、雲の変化の如く・・・。
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宮澤賢治の聴いたクラシック

 あらしやま山荘には、つばのある帽子を被り、厚手のコートを着た賢治が後ろ手に組んでうつむきがちに野原を歩く写真が掲げてあり、私の宝物のような額である。これは愛媛県経済農業協同組合連合会で土壌肥料の技術者として仕事をしている時に、当時の赤松専務(鬼北農協の組合長)に呼ばれて小さな古い1枚の写真を見せられ、この写真を大きくして額に入れたいがどうしたらいいかと尋ねられた。赤松専務に、もう一枚同じものを作ってもよいとの承諾をいただき、同郷のデザイナーに頼んで作ってもらったもらったものである。

 この有名な写真は、宮澤賢治が勤務していた花巻農学校の付近の野原で専門家に頼んで撮影してもらったもので、ベートーヴェンを深く敬愛していた賢治が、ベートーヴェンがウィーン郊外のハイリゲンシュタットを散策している様子をまねたものだと言われている。賢治は、この写真をとても気に入りサインをして親しい人たちに贈っていたそうである。

 なんと最近、賢治が所有し聴いたであろう当時のレコードを復刻したCDが手に入った。

 SPレコードの復刻なので、聴くとシャリショリと音が入るが、この音もあらし山で聴くと格別である。

 中でも、賢治の「小岩井農場」という長編詩はベートーヴェンの交響曲「田園」と同じ手法で書かれているそうで、ハイリゲンシュタットをこよなく愛したベートーヴェンは、田園を一日中歩き抜くことで体に溜まったエネルギーを放出し、感情や欲求を解消していたと言われ、賢治もまた同じ体験を何人かの友人に話していたという。

 他に、シューマンの「トロイメライ」のチェロ演奏は「セロ弾きのゴーシュ」を彷彿とさせ、賢治はドボルザークの「新世界交響楽」も殊のほか愛したそうで、農学校の教え子にアメリカに行きたいと話していた。弟の清六さんによると、”兄は蓄音機のラッパに耳をつっこむようにしながら聴いていた”とのことで、一緒に聴いたブラームスの交響曲第3番第三楽章のメロディーを今でも口ずさめると著書に綴っている。

 さらに、病床にあって賢治が繰り返し聴いていたのはドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」だった。わが国で最も初期のクラシック・レコードの極めて感度の高い収集家でもあった賢治は、チェロを弾き、クラシック音楽こそ賢治の文学の源泉だったとも言われる。花巻高等農林学校を退職した後、賢治は独居生活を始め、昼は農作業に勤しみ、夜は農村青年たちと農業と芸術の講座を開き、レコート鑑賞会をしたりして、土と芸術に親しむ私塾「羅須地人協会」を発足させた。

 「雨ニモマケズ」にある”一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ”と書いているような日々であったようだが、理想の私塾を旗揚げした賢治の心は光でできたバイプオルガンの調べのように明るく晴れやかであったという。

 賢治の書いた「農民芸術概論綱要」の終わりには「永久の未完成、これ完成である」とあるが、これはシューベルトの「未完成交響曲」に共鳴した言葉であろうか。

 学校で習った音楽の授業の域をでない者としては、賢治が眩くてならない!

 

【あらし山で聴く、ベートーベンの交響曲「田園」】

あらし山チロルの谷

 先々月の15日、公益社団法人 大日本報徳社の鷲山社長ご夫妻が”あらしやま山荘”にみえられた。

 愛媛報徳社あらし山「報徳塾」の設立総会に出席のため、遠路、静岡県掛川市からお越しいただいた。

 ご夫妻の”あらし山”滞在は実に七年ぶり、年輪塾の「尊徳公開セミナー」に出席いただくために、二宮金次郎七代目のご子孫である中桐さんと一緒に"あらしやま山荘"にお見えになって以来である。その時は暴風雨で、真っ暗な山道を辿り着かれたために、ゆっくり周りを見る余裕はなかったようであるが、今回は秋晴れに恵まれて、ゆっくり滞在していただいた。

 鷲山社長は元東京学芸大学の学長さん、奥様は東京外国語大学の名誉教授で、それぞれドイツ文学とドイツ演劇がご専門である。

 二宮金次郎を介しての不思議なご縁である。

 

 設立総会を終えて帰られる朝のこと、鷲山社長が”あらしやま山荘”の二階に腰掛けられ、こう言われた。

 「ここの眺めはいいねぇ。

  以前、チロルの谷に行ったことがあり、もう一度行きたいと思っていたんだが、ここで十分だねぇ。

  ・・と。

 ”あらしやま山荘”は、昭和7年から標高200mの石垣の上に建っている。

 この地で10代営々と暮らしており、ここから見える眺めが大好きで私の原風景でもある。

 ここに来るためには2Kmほどの山道を車で走るが、初めての人には”この先に家があるのか?”と尋ねられたりもする。

 それでも、こんなに褒めていただいたことはない。

 

 そうだ、これから「あらし山チロルの谷」と呼ぶことにしよう!

 山あいの一軒家でも人は来る!

 有難い、ミカン山が喜んでいる!

 

【あらしやま山荘からの原風景 】

あらし山チロルの谷(2)

【あらしやま山荘からの原風景 】

あらし山チロルの谷(1)

 

 

「雨ニモマケズ」in あらし山

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ
  雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
  慾ハナク 決シテ瞋ラズ
  イツモシヅカニワラツテイル
  一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ
  アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ
  野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
  東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
  西ニツカレタ母アレバ行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
  南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
  北ニケンクヮヤソショウガアレバツマラナイカラヤメロトイヒ
  ヒドリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ
  ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
  サウイフモノニワタシハナリタイ 」

 

 手帳に書かれた宮澤賢治の遺作のメモで、一般には詩として広く知られており、「雨ニモマケズ / 風ニモマケズ」に始まり、「ソウイフモノニ / ワタシハナリタイ」で終わる漢字交じりのカタカナ書きである。これにメロディーを付けて歌にしたものは多いが、そのなかで宇佐元恭一さんが作られたメロディーを特に気に入り、ご本人の了解を得て歌っている。これは”あらしやま山荘”での「楽農ゼミナール」のご挨拶がわり皆でシングアウトしたもので、演奏は自称”あらし山報徳バンド”であるが、如何せんバラバラでシロウトも甚だしく、合わせて練習しここともなくイキニナリであり聞くに堪えないが、これも仕方がない。

 歌うことに意義がある!・・・と思っている次第。

 宮澤賢治がこうありたいと願った生き方を綴ったもので、原曲は”G”だが、キーを”D”にして歌っている。この「雨ニモマケズ」を暗記しようとするとなかなか手ごわいが、歌うとすぐに覚えられるから不思議である。そして、少しでもこのようになりたいと常々思いながら、今日も歌い続けている!

 

 「欲はなく決して怒らず<、いつも静かに笑っている。

    あらゆることを自分を勘定に入れずに、よく見聞きし分かり、そして忘れず。

   みんなにデクノボーと呼ばれ、ほめられもせず、苦にもされず。

   そういうものに、わたしはなりたい。」

 

「雨にも負けず 風にも負けず

 雪にも 夏の暑さにも負けぬ 丈夫な体を持ち

 欲はなく決して怒らず いつも静かに笑っている

 一日に 玄米4合と 味噌と少しの野菜を食べ

 あらゆることを 自分を勘定に入れずに よく見聞きし分かり そして忘れず

 野原の松の林の陰の小さな茅葺き小屋にいて

 東に病気の子どもあれば 行って 看病してやり

 西に疲れた母あれば 行って その稲の束を負い

 南に死にそうな人あれば 行って 怖がらなくてもいいと言い

 北に喧嘩や 訴訟があれば つまらないからやめろと言い

 日照りの時は 涙を流し 寒さの夏は おろおろ歩き

 みんなにデクノボーと呼ばれ ほめられもせず 苦にもされず

 そういうものに わたしはなりたい」

「楽農ゼミナール」2018 〜鎌倉研の歌と語りァ

この曲はカントリーぽく、アメリカを思わせる 好みの一曲である。

うまいねぇ。

【Western Lullaby】

 

ついに2時間に及ぶ今夜のラストソングです!

参加者全員を巻き込み、日土町のご当地ソングとなるか!

【ちょっと待って日土町&八幡浜】

 

終いのアンコール曲。鎌倉さんは今日から禁煙、プカプカとさようなららしい。

それにしても、いったい今夜は何曲歌ったの?

【プカプカ】

「楽農ゼミナール」2018 〜鎌倉研の歌と語りぁ

この曲は、鎌倉さんが作った ご当地ソング。

最初から読んでも最後から読んでも”ツルワルツ”

【都留ワルツ】

 

いよいよ佳境に入ってきます!

ご存じ、この歌は”園まり”、”藤圭子”が歌っているが、フォークシンガーの”三上寛”の歌が聴きごたえ十分!

【夢は夜ひらく】

 

いよいよ「濡れ色の想い出」です。

この歌の情景がいいですねぇ。名曲だと思いますよ、鎌倉さん!

【濡れ色の想い出】

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