風の便り from あらし山

雲の変化を愛でて、自然の移ろいを語り、人生の機微を楽しむ。ある時はミカン山から、ある時は雑踏の中から、雲の変化の如く・・・。
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この"オッサン"は凄い!

 「くつが一足あったなら」の原曲である「Goodnight Irene」という曲を作ったレッドベリー(Lead Bellyという人を調べていると、なんとビートルズの誕生にも関係していたということがわかった。

 彼の生まれた年は1888年、日本では明治21年ということになる。
 このオッサン、有名な話だが人を殺めて刑務所に入っている
 彼の歌はよほど多くの人に感動を与える力があったらしく、服役中に書いた曲が州知事を感動させて、35年の刑罰から2年で釈放されたと言われているが、釈放されてから5年後に刑務所で再び服役している。この時は白人の音楽学者が州知事に早期釈放を陳情し、放免されている。

 まさに、”芸は身を助ける”とはこのこと!

 その後、出所してレコードを出すのだがセールス不十分で売れず、脅迫でまたまた刑務所に戻っている。
 1940年に釈放されるとフォークブームで、ウディ・ガスリーやピート・シーガーらに歓迎され、1950年代にはフォークが一大ムーブメントになる。
 一方、イギリスでは彼の歌が大ヒットし、それが「スキッフル・ブーム」を生み出し、これがビートルズなどブリティッシュ・ロック・バンドの誕生のきっかけとなる。”スキッフル”というのは、カントリー、ジャズ、ブルースなどの影響を受け、最近のバンドの原型だと思ったらいい。
 さらに、アメリカではピート・シーガーが彼の曲「Goodnight Irene」をカバーして全米ナンバー1になるが、この大ヒットは彼が死んだ1年後のことだった。この曲を気に入ってカバーしている人たちは数知れず、彼の歌はよほど多くの人に感動を与える力があったらしい。

 ・・・ということだが、レッドベリーの詳しいことは、鳥取のブルーズ野郎に教えてもらうとするか!

 

【 Goodnight Irene --Lead Belly

アメイジング・グレース

 5月29日の松田ari幸一さんのハーモニカライブのアンコール曲は、「アメイジング・グレース」だった。

 これは、かねてより私がariさんにお願いしていたものである。

 この歌の歌いだしは、このように始まる。

 

 ♫ アメイジング・グレース(なんと甘美な響きよ)

  私のようなろでなしでさえ、救ってくださった

  私はかつて道に迷っていたが、今は見つけだされた

  私の目は真実が見えなかったが、今は見える ♫

 

 この歌はイギリスのジョン・ニュートンという牧師が作った讃美歌だとされているが、実は彼の実体験に基づいて書かれたものである。彼は船乗りで、いろいろな船を渡り歩くうちに奴隷売買に手を染めて、若くして莫大な富を気づくようになる。

 アフリカで人々を拉致し”奴隷船”と呼ばれる船に乗せる。白人が行った黒人達の扱いは、家畜同様か、それ以下という。当時は、船自体の衛生状態が非常に悪く、たくさんの黒人達が感染症や栄養失調などで命を落とした。

 1748年5月10日、船長として乗船していた奴隷船が激しい嵐で遭難沈没の危機にあい、彼は、今にも沈みそうな船の上で必死に命乞いをしたという。敬虔なクリスチャンの母親に育てられたが、心の底から神に祈りを捧げたのは、これが初めてだった。

 彼の船は奇跡的に助かったが、彼は、この日を自分で"第二の誕生日"とした。

 その後、彼は奴隷売買から足を洗い、懺悔の意味もかねて牧師になった。そして、過去に罪深い奴隷売買に関わったことを深く悔い「こんなろくでなしの自分でも、神は赦してくださった」という感謝を込めて、この曲を書き上げたという。

 メロディーは、アイルランドかスコットランドの民謡を掛け合わせて作ったとか、19世紀に南部アメリカで作られたなど諸説あるが、詳しいことはわからない。

 アメイジング・グレースAmazing Grace)は「すばらしき恩寵」と訳されている。

 

【松田ari幸一さんの演奏で「アメイジング・グレース」を】

くつが一足あったなら

 5月29日の松田ari幸一さんのハーモニカライブ最後の曲は、「くつが一足あったなら」でした。

 繰り返しの”Irene Goodnight”を皆で歌ったんですが、良かったですねぇ。

 ”この曲は聞いたことがあるなぁ!”と思ったら”やぎたこ”の新しいCDに入っており、歌詞の流れから”高田 渡”の曲だとわかりました。

 この曲は、アメリカのフォークグループWEAVERSの「Goodnight Irene」の曲に、ウクライナの詩人”シェフチェンコ”の詩を付けて、”高田 渡”が歌ったものです。調べると、”シェフチェンコ”はロシア革命が起きる前のロシア皇帝時代の人のようです。WEAVERSは、フォーシンガーのピート・シーガーなどで結成された4人組のフォークグループです。

 「Goodnight Irene」は、1950年に全米で13週連続一位になっています。

 この曲を作ったレッドベリーという人は黒人で、”高田 渡”の音楽のルーツにもなってるらしいのですが、ロシア革命以前のロシア皇帝時代の詩とアメリカのフォークソングと結びつけたあたりは、”高田 渡”のセンスなんでしょうねぇ。

 

【松田ari幸一 ハーモニカライブin愛媛でのラストソング】

星めぐりの歌

 5月29日、松山市内のライブハウスで行われた松田幸一さんのハーモニカライブでのこと。

 何曲か演奏された後、宮澤賢治の話をされ、これから「星めぐの歌」を演奏しますと言われた。

 いきなりだったので、慌ててカメラをセットしたが、かろうじて間に合った。

 ariさんのハーモニカとやさしい歌声に、しばし聴き入ったが、自称、宮澤賢治研究家としては至福のひと時であった。

 

 この「星めぐりの歌」は、言わずと知れた宮澤賢治の作詞・作曲である。

 歌に登場する「あかいめだまのさそり」とはさそり座の心臓アンタレス「あをいめだまの小いぬ」とはおおいぬ座のシリウスであり、「へびのとぐろ」とは逆S字が特徴のりゅう座のことである。また「小熊のひたいのうへは そらのめぐりのめあて」とは北極星のことを指している言われるが、北極星は本来こぐま座の尾の先の星である。α星を「めだま」と表現するなど、星座の一般的な解釈とは異なる部分もあるが、歌詞は夜の天空の幻想的なイメージに満ちており、そのメロディーは親しみやすい

 

 「星めぐりの歌」

    あかいめだまの さそり
    ひろげた鷲の つばさ
    あをいめだまの 小いぬ、
    ひかりのへびの とぐろ。

 

    オリオンは高く うたひ
    つゆとしもとを おとす、
    アンドロメダの くもは
    さかなのくちの かたち。

 

    大ぐまのあしを きたに
    五つのばした ところ。
    小熊のひたいの うへは
    そらのめぐりの めあて。

 

【松田 ar 幸一さんの演奏】2018.5.29

”道徳”と”報徳”は違う!

 今月3日付けの地元紙の1面を見て驚いた。

 それは、先日のこと急逝された榛村社長の後を受けて、大日本報徳社の社長になられた鷲山先生と話をしたばかりだったからである。それは小学校で行われようとしている道徳教育のことであった。

 その道徳教育の始点となるのは、いつの時期なのか?

 明治期から始まった組織的な道徳教育だとすれば、考え直さないといけない。

 その上に生徒個々を評価するとなれば、さらに問題であろう。

 かつて、県内の小学校の二宮金次郎像を精査したことがある。

 その原点となるのは明治天皇が「報徳記」を読まれていたく感動され、これこそ求めていたものであると教科書に載るようになったが、やがて国策に利用されていく。中江藤樹先生も大洲藩の頃に、幕府の文治政策に利用された林羅山の儒学を厳しく批判したことがある。国策に利用されるとロクなことがない。

 金次郎像が持っている本に書かれ、中江藤樹先生が本としたのも「大學」である。

 最近、大切なのは解釈であり、受け取り方であることを「大學」から学んだ。

 本題に戻ると、”道徳”と”報徳”は似て異なるものである。

 戦前の道徳教育の上にたって、二宮金次郎を理解してはいけない。

 二宮金次郎に学ぶべきものは、前半の人生ではなく後半にある。

 しかも、金次郎が言っているのは"勤労"であって”勤勉”ではない。

 ”報徳”は、すべてのものは同じ起源であるが能力や役割はそれぞれ違い、それを見出し役立てることである。

 金次郎像が持っている本には、"一家仁なれば一国仁に興り、一家譲なれば一国譲に興り”と書かれてあり、家庭教育の必要性が書いてある。まず親から子に、家族から地域にと”徳”を広げていくことが基本ではないか。

 知識はあっても学問を成さず、学びもせず、躾もできていない親こそ、問題ではないか。

 彼らを養育したのは我々であるが・・・・。

 

■5月3日の愛媛新聞1面掲載記事

愛媛新聞記事

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